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最終更新日 2012年01月25日 


 2010年(平成22年度)センター試験古文

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◆ 2010年(平成22年度)センター試験古文
 2010年のセンター試験は、1月16日(土)と17日(日)の2日間にかけて行われ、 国語の試験は16日(土)に行われました。 本文と訳文、品詞分解を掲載いたします。訳と品詞分解は、当センターにて作成したものです。

2010年 古文 本文

 暁方になるままに、おびたたしう吹きまさりたる風の紛れに、いと疾う内裏へ参り給ひぬ。「今宵は中宮の御宿直なりけるが、下りさせ給ひけるままに、上は藤壺にわたらせ給ふ」と聞こゆれば、そなたざまへ参り給ふに、立て蔀など、よろづの所あらはに、例ならず見わたされて、姫宮の御方の御小壺の叢に、童べ下りて、虫屋ども手ごとに持たり。御覧ずるとて、二宮、御簾を高くもたげさせ給へるに、十一、二ばかりにやと見ゆる御丈立ちにて、うつぶきて立ち給へれば、前へ靡き掛かれる御髪の削ぎめふさやかに、絵に描きたらん心地して、まみ・額・髪ざし、かの雪の朝の御面影なるものから、なほけしき異にて気高う、匂ひも光も類なき御さまは、姫宮にこそおはしますめれ。よろづのことに騒がず鎮まる御心も、ただ今はいかがはあらん、深く心騒ぎして、おどろかれ給ふ。我が上の空にもの憂く浮きたつ心は、この御さまなどを朝夕見奉らんには慰めなんかし、さりとて当時、世の常に思ひ寄るべき御年のほどならねど、ただまぼり奉らまほしきに、「あはれ、雛屋に虫のゐよかし。一つにあらば、いかに嬉しからん」とのたまへば、二宮、「あらわろや。苔や露も入れさせ給はば、雛のため、いかにうつくしからん」と笑ひ聞こえ給へば、げにと思したるさまにて、まめだち給へる御まみのわたり、見る我もうち笑まれて、幾千代まぼるとも飽く世あるまじきに、おとなしき人参りて引き直しつれば、口惜しうて歩み過ぎ給ふ。

 宮城野にまだうら若き女郎花移して見ばやおのが垣根に

 参り給へれば、夜もすがら風に萎れける前栽御覧じて、端つ方におはします。女御は、いと薄き蘇芳に吾亦紅の織物ひき重ねて奉れる御さまの、ありつる御面影ふと思ひ出でらるるも、なつかしき心地すれど、殊に見やり奉らぬさまなり。朝顔の枝を持給へりけるを、御前に参らせ給ふ。

 朝顔の朝露ごとに開くれば秋は久しき花とこそ見れ

 上、「おのづから栄を為す」とうち誦じさせ給ひて、

 千年経る松にたとふる朝顔のげにぞ盛りの色は久しき

 大将は、ありし御面影の身を去らぬままに、奈良にこそこまかなる細工はあんなれと、召し集へたるに、虫も雛も一つにて濡れて苦しみあるまじきさまにしつらはせ給へる雛屋のさま、御心の際、そこひなくめづらかなり。雛多く人に作らせて据ゑ給ひつつ、藤壺に参らせ給ふ。「思ひかけず人の賜びて侍るを、参るべき御方もやとてなん。上の見参にも入れさせ給へ」と、「大納言の君」と上書きして奉り給ふ。物の端に、

 松虫の千年に例しあらはれて玉の台の家居をぞする

 上もこの御方にて、もて興ぜさせ給ふに、中納言の乳母、「これは、野分の朝願はせ給ひしものになん侍る。『世の中あらはに侍りしに、二宮の御簾をもたげさせ給ひしに、つくづくと見入れて立ち給へりかし』と、後に人の申し侍りしは、まことなりけり」と聞こゆるを、上、いとも興あり、えならぬことに思されて、笑み入らせ給ふ。さりとも世の常におどろかれぬ数には思はじものを。いかで心動かさするわざせんと、なべてかなはぬ世も怨めしきに、これをさも思ひ聞こえんはおもしろきこと、と思さるるぞ、めづらしき人の御癖なる。御返し、上、

 雲居なる千代松虫ぞ宿るべき君が磨ける玉の台に

 事しもこそあれ、いつしかねぢけたる御祝ひ言なりや。待ち見給ふ御心地は、顔うち赤みて、いとど身のほど心おごりし、上の御ならはし・御心ざしをぞ、この世のみならず思ひ続け給ふ。
 我が御殿の三条院のおほかたの寝殿にはあらで、また磨き造らるる西面に、九間ばかりなる所に、雛屋を作り続けて、九重の中の有様、旧き名所名所も、変はらず移し造らせ給ふとて、指図よ何よと、これよりほかのことなくしつらひ置かせ給ふを、「何ごとぞや」と、つきしろひ煩ひ聞こえけり。我が御心地にもそぞろなることかなとをかし。

 我ながら言ふかひなやと思ふかな野なる虫にも宿を占めさす

 かつはをこがましう、かかるいたづらごとのし置かるるも、上の空なる心化粧なり。その年も暮れぬ。

2010年 古文 現代語訳

 夜明け前になるままに、おびただしく吹くことが多くなっている風に紛れて、とてもはやく宮中へうかがいなさってしまう。「今宵は中宮で宿直であったのが、下りさせなさったままに、上は藤壺にわたらせなさる」と聞こえると、そちらのほうへうかがいなさると、ついたてなんか、数々の所が丸見えであって、いつもの様子ではない広く見ることをされて、皇女の方の小壺のくさむらに、子供達が下りて、虫かごなんかを手に手に持っている。ご覧になるといって、二宮は、すだれを高くもたげさせなさっているところ、11、2ぐらいにと見える身長で、うつぶいてお立ち申し上げられるなら、前へ流れて掛かっている髪の毛の削ぎめがふさふさしていて、絵に描いているような心持ちになって、めつき・額・髪のはえぐあいが、あの雪の朝の姿であるけれども、やはり様子が特別であって気高くて、風情も光も類ない様子は、皇女にいらっしゃるようである。数々のことに騒がなく鎮まる心も、たった今はどのようであるのか、深く心は騒いで、目を覚まされなさるのか。私の上の空になんとなくつらく浮きたつ心は、この様子なんかを毎日拝見するようなのには慰めであるよ、だからといって当時、世間一般に思い寄るべき年の程度ではないけれども、ただまもって差し上げたいのに、「ああ、雛屋(ひな人形をかざるための小さな家)に虫は存在してよ。1つに存在するなら、どんなに嬉しいだろうか」とおっしゃると、二宮は、「あらよくないなあ。苔や露も入れさせなさるなら、雛のため、どうしてかわいらしいだろうか」と笑って差し上げなさると、本当にであると思われている様子で、まじめになりなさっているめつきのあたりが、見る私も微笑まれて、何千代に渡ってまもるとしても飽きる世間はいそうにないと、大人らしい人がうかがって引き直してしまったので、くやしくて歩き過ぎなさる。

 宮城野に まだ若いおみなえし 移して見たい 自分自身の垣根に

 おうかがい申し上げられるなら、一晩中風にしおれた庭の植え込みをご覧になって、端の方にいらっしゃる。高位女官は、それほど薄い黒っぽい赤に吾亦紅の織物をひき重ねて差し上げている様子が、さっきの姿をすぐに思い出されるのも、慕わしい心持ちになるけれども、特別に見なさって差し上げない様子である。朝顔で枝を持お与えになったのを、身分の高い者(の前)に差し上げなさる。

 朝顔の朝露はどれでも咲くと秋は長い花と見る

 上、「自然と繁栄を犯す」と唱えさせなさって、

 非常に長い時をへる松にたとえる朝顔の本当に盛りの色は長い

 大将は、以前の姿の身を去らないままに、奈良にこまかい細工はあるらしいと、お召しになり集めているところ、虫も雛も1つで濡れて苦しみありそうにない様子にしつらえせなさっている雛屋の様子、心の際、果てがなく普通ではない。雛を多く人に作らせて据えなさっては、藤壺に差し上げなさる。「予期しなく人でお与えになってお仕えするのを、うかがうべき方もといってか。上の見参にも入れさせて下さい」と、「大納言の主人」と上が書いて差し上げなさる。物の端に、

 松虫の非常に長い時に例があらわれて立派な建物の家居をする

 上もこの方で、もって面白がらせなさると、中納言の子供の養育係は、「これは、台風の朝に願わせなさったものでございます。『世間が丸見えであったのでございますが、二宮のすだれをもたげさせなさったが、つくづくとすっかり見てしまって立ちなさっているよ』と、後に人が申し上げたのでございますのは、真実であった」と聞こえるのを、上は、あまり面白いことがあって、なることができないことにお思いになられて、すっかり微笑んでしまわせなさる。たとえそうであるにしても世間一般に目を覚まされない物の数であるならば思わないだろうものを。どのようにして心が動かさせるわざをしようかと、一般にかなわない世間も残念であると、これをそのように思って差し上げるようなのは趣深いことが、とお思いになられることが、すばらしい人の癖である。返事に、上は、

 皇居にある非常に長い年月 松虫が宿るべき主人が磨いている立派な建物に

 事がありでもしたら大変だ、いつのまにかねじれている祝いの言葉である。待ち御覧になる気持ちは、顔が赤くなって、たくさん身の程度思い上がることをして、上の習慣・親切心を、この世間だけではなく思い続けなさる。
 私が殿の三条院のいっこうにの寝殿には存在しないで、また磨き造られる西側に、9間ぐらいである所に、雛屋を作り続けて、宮中の中の状態が、古い名所名所も、変わらなく移し造らせなさるからといって、指図よ何よと、これからほかのことはなく前もってしつらえておかせなさるのを、「どんなことなのか」と、つつきあいかねて差し上げた。私が気持ちにもそぞろであることだなあと面白い。

 私ながら言ってもなんにもならないなあと思うなあ 野原にいる虫にも宿を自分のものにさせる

 一方ではばからしくて、このようなむだなことが前もってしておかれるのも、上の空である気配である。その年も暮れてしまう。  

2010年 古文 品詞分解

 暁方【名詞:夜明け前】 に【格助詞:に】 なる【ラ行四段活用動詞「なる」連体形:なる】 まま【名詞:まま】 に【格助詞:に】 、 おびたたしう【シク活用形容詞「おびたたし」連用形:おびただしく】 吹き/まさり/たる【カ行四段活用動詞「吹く」連用形+ラ行四段活用動詞「まさる」連用形+完了の助動詞「たり」連体形:吹くことが多くなっている】 風【名詞:風】 の【格助詞:の】 紛れ【名詞:紛れ】 に【格助詞:に】 、 いと【副詞:とても】 疾う【ク活用形容詞「疾し」連用形:はやく】 内裏【名詞:宮中】 へ【格助詞:へ】 参り/給ひ/ぬ【ラ行四段活用動詞「参る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形:うかがいなさってしまう】 。 「 今宵【名詞:今宵】 は【係助詞:は】 中宮【名詞:中宮】 の【格助詞:で】 御【接頭語】 宿直【名詞:宿直】 なり/ける【断定の助動詞「なり」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:であった】 が【格助詞:が】 、 下り/させ/給ひ/ける【ラ行上二段活用動詞「下る」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:下りさせなさった】 まま【名詞:まま】 に【格助詞:に】  、 上【名詞:上】 は【係助詞:は】 藤壺【名詞:藤壺】 に【格助詞:に】 わたら/せ/給ふ【ラ行四段活用動詞「わたる」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:わたらせなさる】 」  と【格助詞:と】 聞こゆれ/ば【ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」已然形+接続助詞:聞こえると】 、 そなたざま【名詞:そちらのほう】 へ【格助詞:へ】 参り/給ふ/に【ラ行四段活用動詞「参る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形+格助詞:うかがいなさると】 、 立て蔀【名詞:ついたて】 など【副助詞:なんか】 、 よろづ【名詞:数々】 の【格助詞:の】 所【名詞:所】 あらはに、【ナリ活用形容動詞「あらはなり」連用形:丸見えであって、】 例/なら/ず【名詞+断定の助動詞「なり」未然形+打消の助動詞「ず」連用形:いつもの様子ではなく】 見/わたさ/れ/て【マ行上一段活用動詞「見る」連用形+サ行四段活用動詞「わたす」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連用形+接続助詞:広く見ることをされて】 、 姫宮【名詞:皇女】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 方【名詞:方】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 小壺【名詞:小壺】 の【格助詞:の】 叢【名詞:くさむら】 に【格助詞:に】 、 童べ【名詞:子供達】 下り/て【ラ行四段活用動詞「下る」連用形+接続助詞:下って】 、 虫屋【名詞:虫かご】 ども【接尾語:等】 手ごとに【慣用句:手に手に】 持たり【ラ行変格活用動詞「持たり」終止形:持っている】 。 御覧ずる【サ行変格活用動詞「御覧ず」連体形:ご覧になる】 とて【格助詞:といって】 、 二宮【名詞:二宮】 、 御【接頭語】 簾【名詞:すだれ】 を【格助詞:を】 高く【ク活用形容詞「高し」連用形:高く】  もたげ/させ/給へ/る/に【ガ行下二段活用動詞「もたぐ」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+完了の助動詞「り」連体形+格助詞:もたげさせなさっているところ】 、 十一【名詞:11】 、 二【名詞:2】 ばかり【副助詞:ぐらい】 に【格助詞:に】 や【係助詞】 と【格助詞:と】 見ゆる【ヤ行下二段活用動詞「見ゆ」連体形:見える】 御【接頭語】 丈立ち【名詞:身長】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 、うつぶき/て【カ行四段活用動詞「うつぶく」連用形+接続助詞:うつぶいて】 立ち/給へ/れ/ば【タ行四段活用動詞「立つ」連用形+謙譲の補助動詞「給ふ」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」未然形+接続助詞:お立ち申し上げられるなら】 、 前【名詞:前】 へ【格助詞:へ】 靡き【カ行四段活用動詞「靡く」連用形:横に流れ】 掛かれ/る【ラ行四段活用動詞「掛かる」連用形+完了の助動詞「り」連体形:掛かっている】 御髪【名詞:髪の毛】 の【格助詞:が】 削ぎめ【名詞:削ぎめ】 ふさやかに、【ナリ活用形容動詞「ふさやかなり」連用形:ふさふさしていて、】 絵【名詞:絵】 に【格助詞:に】 描き/たら/ん【カ行四段活用動詞「描く」連用形+完了の助動詞「たり」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:描いているような】 心地し/て【サ行変格活用動詞「心地す」連用形+接続助詞:心持ちになって】 、 まみ【名詞:めつき】 ・ 額【名詞:額】 ・ 髪ざし【名詞:髪のはえぐあい】 、 か/の【名詞+格助詞:あの】 雪【名詞:雪】 の【格助詞:の】 朝【名詞:朝】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 面影【名詞:姿】 なる/ものから【断定の助動詞「なり」連体形+接続助詞:であるけれども】 、 なほ【副詞:やはり】 けしき【名詞:様子】 異に/て【ナリ活用形容動詞「異なり」連用形+接続助詞:特別であって】 気高う、【ク活用形容詞「気高し」連用形:気高くて、】 匂ひ【名詞:風情】 も【係助詞:も】 光【名詞:光】 も【係助詞:も】 類【名詞:類】 なき【ク活用形容詞「なし」連体形:ない】 御【接頭語】 さま【名詞:様子】 は【係助詞:は】 、 姫宮【名詞:皇女】 に【格助詞:に】 こそ【係助詞】 おはします/めれ【サ行四段活用動詞「おはします」連体形+推量の助動詞「めり」已然形:いらっしゃるようである】 。 よろづ【名詞:数々】 の【格助詞:で】 こと【名詞:こと】 に【格助詞:に】 騒が/ず【ガ行四段活用動詞「騒ぐ」未然形+打消の助動詞「ず」連用形:騒がなく】 鎮まる【ラ行四段活用動詞「鎮まる」連体形:鎮まる】 御【接頭語】 心【名詞:心】 も【係助詞:も】 、 ただ今【名詞:たった今】 は【係助詞:は】 いかが【副詞:どのように】 は【係助詞】 あら/ん【ラ行変格活用動詞「あり」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:あるような】 、 深く【ク活用形容詞「深し」連用形:深く】 心【名詞:心】 騒ぎ【名詞:騒ぎ】 して【格助詞:で】 、 おどろか/れ/給ふ【カ行四段活用動詞「おどろく」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:目を覚まされなさる】 。 我【名詞:私】 が【格助詞:の】 上の空【名詞:上の空】 に【格助詞:に】 もの【接頭語:なんとなく】 憂く【ク活用形容詞「憂し」連用形:つらく】 浮きたつ【タ行四段活用動詞「浮きたつ」連体形:浮きたつ】 心【名詞:心】 は【係助詞:は】 、 こ/の【名詞+格助詞:この】 御【接頭語】 さま【名詞:様子】 など【副助詞:なんか】 を【格助詞:を】 朝夕【名詞:毎日】 見奉ら/ん【ラ行四段活用動詞「見奉る」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:拝見するような】 に【格助詞:に】 は【係助詞:は】 慰め【名詞:慰め】 なん【係助詞】 かし、【サ行四段活用動詞「かす」連用形:かして、】 さりとて【慣用句:だからといって】 当時【名詞:当時】 、 世の常【名詞:世間一般】 に【格助詞:に】 思ひ【ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形:思い】 寄る/べき【ラ行四段活用動詞「寄る」連体形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」連体形:寄るべき】 御【接頭語】 年【名詞:年】 の【格助詞:の】 ほど【名詞:程度】 なら/ね/ど【断定の助動詞「なり」未然形+打消の助動詞「ず」已然形+接続助詞:ではないけれども】 、 ただ【副詞:ただ】 まぼり/奉ら/まほしき/に【ラ行四段活用動詞「まぼる」連用形+謙譲の補助動詞「奉る」未然形+願望の助動詞「まほし」連体形+格助詞:まもって差し上げたいと】 、 「 あはれ【感動詞:ああ】 、 雛屋【名詞:雛屋(ひな人形をかざるための小さな家)】 に【格助詞:に】 虫【名詞:虫】 の【格助詞:が】 ゐよ/かし【ラ行上一段活用動詞「ゐる」命令形+終助詞:存在しろよ】 。 一つ【名詞:1つ】 に【格助詞:に】 あら/ば【ラ行変格活用動詞「あり」未然形+接続助詞:存在するなら】 、 いかに【副詞:どうして】 嬉しから/ん【シク活用形容詞「嬉し」未然形+意志・推量の助動詞「ん」終止形:嬉しいだろう】 」  と【格助詞:と】 のたまへ/ば【ハ行四段活用動詞「のたまふ」已然形+接続助詞:おっしゃると】 、 二宮【名詞:二宮】 、 「  あら【感動詞:あら】 わろ/や【ク活用形容詞「わろし」語幹+間投助詞:よくないなあ】 。 苔 や【感動詞:おい】 露【名詞:露】 も【係助詞:も】 入れ/させ/給は/ば【ラ行下二段活用動詞「入る」未然形+使役の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」未然形+接続助詞:入れさせなさるなら】 、 雛【名詞:雛】 の【格助詞:が】 ため、【マ行下二段活用動詞「たむ」連用形:ためて、】 いかに【副詞:どうして】 うつくしから/ん【シク活用形容詞「うつくし」未然形+意志・推量の助動詞「ん」終止形:かわいらしいだろう】 」  と【格助詞:と】 笑ひ/聞こえ/給へ/ば【ハ行四段活用動詞「笑ふ」連用形+謙譲の補助動詞「聞こゆ」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」已然形+接続助詞:笑って差し上げなさると】 、 げに【副詞:本当に】 と思し【シク活用形容詞「と思し」終止形:であると思われる】 たる【ラ行四段活用動詞「たる」連体形:たりる】 さま【名詞:様子】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 、 まめだち/給へ/る【タ行四段活用動詞「まめだつ」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+完了の助動詞「り」連体形:まじめになりなさっている】 御【接頭語】 まみ【名詞:めつき】 の【名詞:の】 わたり【名詞:付近】 見る【マ行上一段活用動詞「見る」連体形:見る】 我【名詞:私】 も【係助詞:も】 うち【接頭語】 笑ま/れ/て【マ行四段活用動詞「笑む」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連用形+接続助詞:微笑まれて】 、 幾千【名詞:何千】 代【名詞:代】 まぼる/とも【ラ行四段活用動詞「まぼる」連体形+接続助詞:まもるとしても】 飽く【カ行四段活用動詞「飽く」連体形:飽きる】 世【名詞:世間】 ある/まじき/に【ラ行変格活用動詞「あり」連体形+打消推量の助動詞「まじ」連体形+格助詞:いそうにないと】 、 おとなしき【シク活用形容詞「おとなし」連体形:大人らしい】 人【名詞:人】 参り/て【ラ行四段活用動詞「参る」連用形+接続助詞:うかがって】 引き【カ行四段活用動詞「引く」連用形:引き】 直し/つれ/ば【サ行四段活用動詞「直す」連用形+完了の助動詞「つ」已然形+接続助詞:直してしまったので】 、 口惜しう/て【シク活用形容詞「口惜し」連用形+接続助詞:くやしくて】 歩み【マ行四段活用動詞「歩む」連用形:歩き】 過ぎ/給ふ【ガ行上二段活用動詞「過ぐ」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:過ぎなさる】 。 

     宮城野【名詞:宮城野】 に【格助詞:に】 まだ【副詞:まだ】 うら【接頭語】 若き【ク活用形容詞「若し」連体形:若い】 女郎花【名詞:おみなえし】 移し/て【サ行四段活用動詞「移す」連用形+接続助詞:移して】 見/ばや【マ行上一段活用動詞「見る」未然形+終助詞:見たい】 おの【名詞:自分自身】 が【格助詞:の】 垣根【名詞:垣根】 に【格助詞:に】 

     参り/給へ/れ/ば【ラ行四段活用動詞「参る」連用形+謙譲の補助動詞「給ふ」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」未然形+接続助詞:おうかがい申し上げられるなら】 、 夜もすがら【慣用句:一晩中】 風【名詞:風】 に【格助詞:に】 萎れ/ける【ラ行下二段活用動詞「萎る」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:しおれた】 前栽【名詞:庭の植え込み】 御覧じ/て【サ行変格活用動詞「御覧ず」連用形+接続助詞:ご覧になって】 、 端【名詞:端】 つ【格助詞:の】 方【名詞:方】 に【格助詞:に】 おはします【サ行四段活用動詞「おはします」終止形:いらっしゃる】 。 女御【名詞:高位女官】 は【係助詞:は】 、 いと【副詞:それほど】 薄き【ク活用形容詞「薄し」連体形:薄い】 いと【副詞:とても】 薄き【ク活用形容詞「薄し」連体形:薄い】 蘇芳【名詞:黒っぽい赤】 に【格助詞:に】 吾亦紅【名詞:吾亦紅】 の【格助詞:の】 織物【名詞:織物】 ひき【カ行四段活用動詞「ひく」連用形:ひき】 重ね/て【ナ行下二段活用動詞「重ぬ」連用形+接続助詞:重ねて】 奉れ/る【ラ行四段活用動詞「奉る」連用形+完了の助動詞「り」連体形:差し上げている】 御【接頭語】 さま【名詞:様子】 の【格助詞:が】 、 ありつる【連体詞:さっきの】 御【接頭語】 面影【名詞:姿】 ふと【副詞:すぐに】 思ひ出で/らるる【ダ行下二段活用動詞「思ひ出づ」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「らる」連体形:思い出される】 も【係助詞:も】 、 なつかしき【シク活用形容詞「なつかし」連体形:慕わしい】 心地すれ/ど【サ行変格活用動詞「心地す」已然形+接続助詞:心持ちになるけれども】 、 殊に【ナリ活用形容動詞「殊なり」連用形:特別に】 見/やり/奉ら/ぬ【マ行上一段活用動詞「見る」連用形+ラ行四段活用動詞「やる」連用形+謙譲の補助動詞「奉る」未然形+打消の助動詞「ず」連体形:見なさって差し上げない】 さま【名詞:様子】 なり【断定の助動詞「なり」終止形:である】 。 朝顔【名詞:朝顔】 の【格助詞:で】 枝【名詞:枝】 を【格助詞:を】 持/給へ/り/ける【タ行四段活用動詞「持つ」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+完了の助動詞「り」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:持ちなさった】 を【格助詞:を】 、 御前【名詞:身分の高い者(の前)】 に【格助詞:に】 参らせ/給ふ【サ行下二段活用動詞「参らす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:差し上げなさる】 。 

       朝顔【名詞:朝顔】 の【格助詞:の】 朝露【名詞:朝露】 ごと/に【接尾語+格助詞:どれでも】 開くれ/ば【カ行下二段活用動詞「開く」已然形+接続助詞:咲くと】 秋【名詞:秋】 は【係助詞:は】 久しき【シク活用形容詞「久し」連体形:長い】 花【名詞:花】 と【格助詞:と】 こそ【係助詞】 見れ【マ行上一段活用動詞「見る」已然形:見る】

     上【名詞:上】 、 「 おのづから【副詞:自然と】 栄【名詞:繁栄】 を【格助詞:を】 為す【サ行四段活用動詞「為す」終止形:犯す】 」  と【格助詞:と】 うち【タ行四段活用動詞「うつ」連用形:うち】 誦じ/させ/給ひ/て【サ行変格活用動詞「誦ず」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:唱えさせなさって】 、

     千年【名詞:非常に長い時】 経る【ハ行下二段活用動詞「経」連体形:へる】 松【名詞:松】 に【格助詞:に】 たとふる【ハ行下二段活用動詞「たとふ」連体形:たとえる】 朝顔【名詞:朝顔】 の【格助詞:の】 げに【副詞:本当に】 ぞ【係助詞】 盛り【名詞:盛り】 の【格助詞:の】 色【名詞:色】 は【係助詞:は】 久しき【シク活用形容詞「久し」連体形:長い】 

     大将【名詞:大将】 は【係助詞:は】 、 あり/し【ラ行変格活用動詞「あり」連用形+過去の助動詞「き」連体形:あった】 御【接頭語】 面影【名詞:姿】 の【格助詞:の】 身【名詞:身】 を【格助詞:を】 去ら/ぬ【ラ行四段活用動詞「去る」未然形+打消の助動詞「ず」連体形:去らない】 まま【名詞:まま】 に【格助詞:に】 、 奈良【名詞:奈良】 に【格助詞:に】 こそ【係助詞】 こまかなる【ナリ活用形容動詞「こまかなり」連体形:こまかい】 細工【名詞:細工】 は【係助詞:は】 あん/なれ【ラ行変格活用動詞「あり」撥音便連体形+伝聞・推定の助動詞「なり」已然形:あるらしい】 と【格助詞:と】 、 召し【サ行四段活用動詞「召す」連用形:お召しになり】 集へ/たる/に【ハ行下二段活用動詞「集ふ」連用形+完了の助動詞「たり」連体形+格助詞:集めているところ】 、 虫【名詞:虫】 も【係助詞:も】 雛【名詞:雛】 も【係助詞:も】 一つ【名詞:1つ】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 濡れ/て【ラ行下二段活用動詞「濡る」連用形+接続助詞:濡れて】 苦しみ【マ行四段活用動詞「苦しむ」連用形:苦しみ】 ある/まじき【ラ行変格活用動詞「あり」連体形+打消推量の助動詞「まじ」連体形:いそうにない】 さま【名詞:様子】 に【格助詞:に】 しつらは/せ/給へ/る【ハ行四段活用動詞「しつらふ」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+完了の助動詞「り」連体形:しつらえせなさっている】 雛屋【名詞:雛屋(ひな人形をかざるための小さな家)】 の【格助詞:の】 さま【名詞:様子】 、 御【接頭語】 心【名詞:心】 の【格助詞:の】 際【名詞:際】 、 そこひ【名詞:果て】 なく【ク活用形容詞「なし」連用形:なく】 めづらかなり【ナリ活用形容動詞「めづらかなり」終止形:普通ではない】 。 雛【名詞:雛】 多く【ク活用形容詞「多し」連用形:多く】 人【名詞:人】 に【格助詞:に】 作ら/せ/て【ラ行四段活用動詞「作る」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+接続助詞:作らせて】 据ゑ/給ひ/つつ【ワ行下二段活用動詞「据う」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:据えなさっては】 、 藤壺【名詞:藤壺】 に【格助詞:に】 参らせ/給ふ【サ行下二段活用動詞「参らす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:差し上げなさる】 。 「 思ひかけ/ず【ラ行下二段活用動詞「思ひかく」未然形+打消の助動詞「ず」連用形:予期しなく】 人【名詞:人】 の【格助詞:で】 賜び/て【バ行四段活用動詞「賜ぶ」連用形+接続助詞:お与えになって】 侍る【ラ行変格活用動詞「侍り」連体形:お仕えする】 を【格助詞:を】 、 参る/べき【ラ行四段活用動詞「参る」連体形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」連体形:うかがうべき】 御【接頭語】 方【名詞:方】 も【係助詞:も】 や【係助詞】 とて【格助詞:といって】 なん【係助詞】 。 上【名詞:上】 の【格助詞:の】 見参【名詞:見参】 に【格助詞:に】 も【係助詞:も】 入れ/させ/給へ【ラ行下二段活用動詞「入る」未然形+使役の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」命令形:入れさせて下さい】 」  と【格助詞:と】 、 「 大納言【名詞:大納言】 の【格助詞:の】 君【名詞:主人】 」  と【格助詞:と】 上【名詞:上】 書き/して【カ行四段活用動詞「書く」連用形+接続助詞:書いて】 奉り/給ふ【ラ行四段活用動詞「奉る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:差し上げなさる】 。 物【名詞:物】 の【格助詞:の】 端【名詞:端】 に【格助詞:に】 、 

    松虫【名詞:松虫】 の【格助詞:の】 千年【名詞:非常に長い時】 に【格助詞:に】 例し【名詞:例】 あらはれ/て【ラ行下二段活用動詞「あらはる」連用形+接続助詞:あらわれて】 玉の台【名詞:立派な建物】 の【格助詞:の】 家居【名詞:家居】 を【格助詞:を】 ぞ【係助詞】 する【ラ行四段活用動詞「する」連体形:する】

   上【名詞:上】 も【係助詞:も】 こ/の【名詞+格助詞:この】 御【接頭語】 方【名詞:方】 にて【格助詞:で】 、 も/て【タ行四段動詞「もつ」連用形促音便(「っ」無表記)+接続助詞「て」:もって】 興ぜ/させ/給ふ/に【サ行変格活用動詞「興ず」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形+格助詞:面白がらせなさると】 、 中納言【名詞:中納言】 の【格助詞:の】 乳母【名詞:子供の養育係】 、 「 これ【名詞:これ】 は【係助詞:は】 、 野分【名詞:台風】 の【格助詞:の】 朝【名詞:朝】 願は/せ/給ひ/し【ハ行四段活用動詞「願ふ」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+過去の助動詞「き」連体形:願わせなさった】 もの【名詞:もの】 に【断定の助動詞「なり」連用形:に】 なん【係助詞】 侍る【ラ行変格活用動詞「侍り」連体形:お仕えする】 。 『 世の中【名詞:世間】 あらはに/侍り/し/に【ナリ活用形容動詞「あらはなり」連用形+丁寧の補助動詞「侍り」連用形+過去の助動詞「き」連体形:丸見えであったのでございますが】 、 二宮【名詞:二宮】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 簾【名詞:すだれ】 を【格助詞:を】 もたげ/させ/給ひ/し/に【ガ行下二段活用動詞「もたぐ」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+過去の助動詞「き」連体形:もたげさせなさったが】 、 つくづく【副詞:つくづく】 と【格助詞:と】 見/入れ/て【マ行上一段活用動詞「見る」連用形+ラ行四段活用動詞「入る」連用形+接続助詞:すっかり見てしまって】 立ち/給へ/り/かし【タ行四段活用動詞「立つ」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+完了の助動詞「り」終止形+終止形:立ちなさっているよ】 』  と【格助詞:と】 、 後【名詞:後】 に【格助詞:に】 人【名詞:人】 の【格助詞:が】 申し/侍り/し【サ行四段活用動詞「申す」連用形+丁寧の補助動詞「侍り」連用形+過去の助動詞「き」連体形:申し上げたのでございます】 は【係助詞:は】 、 まことなり/けり【ナリ活用形容動詞「まことなり」連用形+過去の助動詞「けり」終止形:真実であった】 」  と【格助詞:と】 聞こゆる【ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」連体形:聞こえる】 を【格助詞:を】 、 上【名詞:上】 、 いと【副詞:あまり】 も【係助詞】 興【名詞:面白いこと】 あり、【ラ行変格活用動詞「あり」連用形:あって、】 え【副詞】 なら/ぬ【ラ行四段活用動詞「なる」未然形+打消の助動詞「ず」連体形:なることができない】 こと【名詞:こと】 に【格助詞:に】 思さ/れ/て【サ行四段活用動詞「思す」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連用形+接続助詞:お思いになられて】 、 笑み/入ら/せ/給ふ【マ行四段活用動詞「笑む」連用形+ラ行四段活用動詞「入る」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:すっかり微笑んでしまわせなさる】 。 さりとも【慣用句:たとえそうであるにしても】 世の常【名詞:世間一般】 に【格助詞:に】 おどろか/れ/ぬ【カ行四段活用動詞「おどろく」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」未然形+打消の助動詞「ず」連体形:目を覚まされない】 数に/は【ナリ活用形容動詞「数なり」連用形+係助詞:物の数であるならば】 思は/じ【ハ行四段活用動詞「思ふ」未然形+打消推量の助動詞「じ」終止形:思わないだろう】 もの【名詞:もの】 を【格助詞:を】 。 いかで【副詞:どのようにして】 心【名詞:心】 動かさ/する【サ行四段活用動詞「動かす」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連体形:動かさせる】 わざ【名詞:わざ】 せ/ん【サ行変格活用動詞「す」未然形+意志・推量の助動詞「ん」連体形:しよう】 と【格助詞:と】 、 なべて【副詞:一般に】 かなは/ぬ【ハ行四段活用動詞「かなふ」未然形+打消の助動詞「ず」連体形:かなわない】 世【名詞:世間】 も【係助詞:も】 怨めしき/に【シク活用形容詞「怨めし」連体形+格助詞:残念であると】 、 これ【名詞:これ】 を【格助詞:を】 さも【副詞:そのように】 思ひ/聞こえ/ん【ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形+謙譲の補助動詞「聞こゆ」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:思って差し上げるような】 は【係助詞:は】 おもしろき【ク活用形容詞「おもしろし」連体形:趣深い】 こと【名詞:こと】 、 と【格助詞:と】 思さ/るる【サ行四段活用動詞「思す」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連体形:お思いになられる】 ぞ【係助詞】 、 めづらしき【シク活用形容詞「めづらし」連体形:すばらしい】 人【名詞:人】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 癖【名詞:癖】 なる【断定の助動詞「なり」連体形:である】 。 御【接頭語】 返し【名詞:返事】 、 上【名詞:上】 、

      雲居【名詞:皇居】 なる【存在の助動詞連用形:にある】 千代【名詞:非常に長い年月】 松虫【名詞:松虫】 ぞ【係助詞】 宿る/べき【ラ行四段活用動詞「宿る」連体形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」連体形:宿るべき】 君【名詞:主人】 が【格助詞:が】 磨け/る【カ行四段活用動詞「磨く」連用形+完了の助動詞「り」連体形:磨いている】 玉の台【名詞:立派な建物】 に【格助詞:に】

     事【名詞:事】 し【副助詞】 も【係助詞】 こそ【係助詞】 あれ【ラ行変格活用動詞「あり」已然形:ありでもしたら大変だ】 、 いつしか【副詞:いつのまにか】 ねぢ【名詞:ねじ】 けた/る【タ行四段活用動詞「けつ」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」終止形:けされる】 御【接頭語】 祝ひ言【名詞:祝いの言葉】 なり【断定の助動詞「なり」終止形:である】 や【係助詞】 。 待ち【タ行四段活用動詞「待つ」連用形:待ち】 見/給ふ【マ行上一段活用動詞「見る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形:御覧になる】 御【接頭語】 心地【名詞:気持ち】 は【係助詞:は】 、 顔【名詞:顔】 うち赤み/て【マ行四段活用動詞「うち赤む」連用形+接続助詞:赤くなって】 、 いとど【副詞:たくさん】 身【名詞:身】 の【格助詞:の】 ほど【名詞:程度】 心おごり【名詞:思い上がること】 し、【サ行変格活用動詞「す」連用形:して、】 上【名詞:上】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 ならはし【名詞:習慣】 ・ 御【接頭語】 心ざし【名詞:親切心】 を【格助詞:を】 ぞ【係助詞】 、 こ/の【名詞+格助詞:この】 世【名詞:世間】 のみ【副助詞:だけ】 なら/ず【断定の助動詞「なり」未然形+打消の助動詞「ず」連用形:ではなく】 思ひ【ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形:思い】 続け/給ふ【カ行下二段活用動詞「続く」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:続けなさる】 。 
  我【名詞:私】 が【格助詞:が】 御【接頭語】 殿【名詞:殿】 の【格助詞:の】 三条院【名詞:三条院】 の【格助詞:の】 おほかた【副詞:いっこうに】 の【格助詞:の】 寝殿【名詞:寝殿】 に【格助詞:に】 は【係助詞:は】 あら/で【ラ行変格活用動詞「あり」未然形+打消の接続助詞:存在しないで】 、 また【副詞:また】 磨き【カ行四段活用動詞「磨く」連用形:磨き】 造ら/るる【ラ行四段活用動詞「造る」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連体形:造られる】 西面【名詞:西側】 に【格助詞:に】 、 九間【名詞:9間】 ばかり【副助詞:ぐらい】 なる【断定の助動詞「なり」連体形:である】 所【名詞:所】 に【格助詞:に】 、 雛屋【名詞:雛屋(ひな人形をかざるための小さな家)】 を【格助詞:を】 作り【ラ行四段活用動詞「作る」連用形:作り】 続け/て【カ行下二段活用動詞「続く」連用形+接続助詞:続けて】 、 九重【名詞:宮中[何十にも重なること]】 の【格助詞:の】 中【名詞:中】 の【格助詞:の】 有様【名詞:状態】 、 旧き【ク活用形容詞「旧し」連体形:古い】 名所【名詞:名所】 名所【名詞:名所】 も【係助詞:も】 、 変はら/ず【ラ行四段活用動詞「変はる」未然形+打消の助動詞「ず」連用形:変わらなく】 移し【サ行四段活用動詞「移す」連用形:移し】 造ら/せ/給ふ/とて【ラ行四段活用動詞「造る」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形+:造らせなさるからといって】 、 指図【名詞:指図】 よ【名詞:よ】 何【名詞:何】 よ【名詞:よ】 と【格助詞:と】 、 これより【これから】 ほか【名詞:ほか】 の【格助詞:で】 こと【名詞:こと】 なく【ク活用形容詞「なし」連用形:なく】 しつらひ/置か/せ/給ふ【ハ行四段活用動詞「しつらふ」連用形+カ行四段活用動詞「置く」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形:前もってしつらえておかせなさる】 を【格助詞:を】 、 「 何ごと【名詞:どんなこと】 ぞ/や【係助詞+係助詞:のだ】 」  と【格助詞:と】 、 つきしろひ/煩ひ/聞こえ/けり【ハ行四段活用動詞「つきしろふ」連用形+ハ行四段活用動詞「煩ふ」連用形+謙譲の補助動詞「聞こゆ」連用形+過去の助動詞「けり」終止形:つつきあいかねて差し上げた】 。 我【名詞:私】 が【格助詞:が】 御【接頭語】 心地【名詞:気持ち】 に【格助詞:に】 も【係助詞:も】 そぞろなる【ナリ活用形容動詞「そぞろなり」連体形:そぞろである】 こと【名詞:こと】 かな【終助詞:だなあ】 と【格助詞:と】 をかし【シク活用形容詞「をかし」終止形:面白い】 。

     我【名詞:私】 ながら【接続助詞:ながら】 言ふかひな/や【ク活用形容詞「言ふかひなし」語幹+間投助詞:言ってもなんにもならないなあ】 と【格助詞:と】 思ふ/かな【ハ行四段活用動詞「思ふ」連体形+詠嘆の終助詞「かな」:思うなあ】 野【名詞:野原】 なる【存在の助動詞連用形:にいる】 虫【名詞:虫】 に【格助詞:に】 も【係助詞:も】 宿【名詞:宿】 を【格助詞:を】 占め/さす【マ行下二段活用動詞「占む」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」終止形:自分のものにさせる】 

     かつは【副詞:一方では】 をこがましう、【シク活用形容詞「をこがまし」連用形:ばからしくて、】 かかる【連体詞:このような】 いたづらごと【名詞:むだなこと】 の【格助詞:が】 し/置か/るる【サ行変格活用動詞「す」連用形+カ行四段活用動詞「置く」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連体形:前もってしておかれる】 も【係助詞:も】  、 上の空【名詞:上の空】 なる【断定の助動詞「なり」連体形:である】 心化粧【名詞:気配】 なり【断定の助動詞「なり」終止形:である】 。 そ/の【名詞+格助詞:その】 年【名詞:年】 も【係助詞:も】 暮れ/ぬ【ラ行下二段活用動詞「暮る」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形:暮れてしまう】 。


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