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最終更新日 2012年01月25日 


 2009年(平成21年度)センター試験古文

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◆ 2009年(平成21年度)センター試験古文
 2009年01月17日(土)に行われたセンター試験の古文本文を分析いたしました。  現代語訳や品詞分解に関しては、古文翻訳装置で機械的に解析した後に若干の手を加えた物ですので、誤りを含む可能性がございますことを ご了承ください。

2009年 古文 本文

 兵衛佐、申しけるは、「あれは父右大臣殿、鞍馬へ参り給ひしに、 鞍馬の坊の前栽に、しんくはんもんの菊とて移し植ゑて候ひしを、わりなく請ひ取りて、家に伝へんとて植ゑ置きしを、父、はかなくなりて後、妹にて候ふ者、父が形見に見んとて惜しみ置きて候ふを、召しに従ひて参らせ候ふ」と申せば、 「妹は播磨の三位の腹、帥の局か」と問はせ給へば、「さは候はず。我と同じき式部卿宮の腹にて候ふ」と申しければ、宮、思し召しけるは、 「いざや、今のもてなしにて、おぼえこそなけれども、院にもこの兵衛佐に並ぶ雲客もなきものを、まして、女にてかれが妹ならば、いかにいつくしからん。あはれ、見ばや」 と、深く御心移りて、この兵部卿宮は、当帝の御腹異の御弟、よろづに御情け深く、この兵衛佐をも、常は御目をも掛けさせ給ひてあはれみ給ひける。
 この君のこと、夜もすがら思ひ明かし給ひて、宮の御随身、常磐と申して髪容貌足らひて一四、五ばかりにてよろづ物慣れなる童召して、「あの菊の枝、折りて参れ」と仰せありければ、朝ぼらけの露のしげきに指貫の裾を取りて、菊を手折りて参りけり。宮、同じ色なる菊重ねの薄様に、かくなん、
 「わが心君が籬にうつろふはなほや残せる白菊の花
菊の白露は置き添ふるより苦しきものを」と遊ばし、菊の枝に結びて、「兵衛佐の妹の住むらん方の、格子に挿して帰れ」と仰せありければ、常磐、もとよりこの内の子細、よく知りたる者にて、三条高倉に行き、この姫君のおはします西の対の、中格子に挿して帰りぬ。女房たち、御格子上げんとて、立ち出で、この花を取り、「これ御覧候へ。花に添へて、なべてならぬ匂ひの薄様に、歌の書かれて候ふ、御覧ぜよ」とて、兵衛佐に、見せ参らせたりければ、見給ひて、「兵部卿宮の御手なり。こはいかに。宮の御手にてわたらせ給ふ。いかにして思し召し寄りけるぞ。もとより、これこそ、あらまほしきことにてあれ。父母生きておはせば、今までかくてやおはすべき。今は、女御、后の位にもわたらせ給ふべきぞかし。この度、御文あるならば、御返事すすめ給へ。女房たち」とぞのたまひける。また昼ほどに、宮、常磐を御使ひにて、御文あり。
 行き通ふ跡は知らねど逢坂の関は今こそ越えまほしけれ
「この度は、あらはれての御返事を請へ」と仰せありければ、常磐、賜りて、三条へ行き、西の対にて、「これは兵部卿宮の御文よ」と言へば、女房たちは、「いかに。思ひ寄らず。人違へか。とくとく帰り給へ」と、取り入れず。むなしく帰りぬ。押し返しかくなん、
  紅の末摘花や我ならんふみかへさるる身こそつらけれ
と遊ばして遣はさるる。常磐、取りて行き、やうやうに言へども、出でず。答へもせず。常磐、幼き心地にねたくおぼえて申すやう、「当時、吾が君の御文なんどをめざましくて、もてなし給ふ便なさよ。取りだに入れさせ給へ」とて、御簾うち上げて入れぬ。されども御返事はなかりけり。その後、色々の薄様に様々の御心をくだきて、押し返し押し返し御文ひまなかりけれども、行く水に数書く心地して、一度も御返事なかりけり。宮は、「ねたくも言ひけるものかな。よしよし、さらば、さてこそあらめ。とかく言はんほどに、母女御殿の御方へも、聞こえんこそ、恥づかしく思へ」なんど思せども、忘られず、御心弱きにつけても、情けのほどあらはれて、ただ一筋に思すなり。
 かくて日数も経るほどに、宮の中、静かによろづものあはれなる昼つ方、常磐、幼き心に、宮の思し召し沈み給へるを、あはれに思ひ参らせ、間近く参りて、「やうやうさてこの御事はしらけてやませ給ふべきか。常は行きて見るに、かひがひしくとがむべき侍なんども候はず。なかなか御文など候はんよりも、ただ押して入らせ給へかし。しかも今夜は兵衛佐殿、院中の御宿直、殿上に侍るなり。誰が車ともなく、あまた出で入り候へば、うち紛れさせ給ひて、車をば中門に忍び立てさせ給ひて、女房たち、大殿油などひしめき候はん紛れに、西の妻戸の方より紛れ入らせ給ひて、灯火の白々となりて、よくよくご覧じ候ひて、御心につかせ給ひ候はば、紛れも入らせ給へかし」。宮は、さもあるべしと思し召して、殿上人のまねびをして、宮の中を忍び出でさせ給ひしかば、常磐、御供申しけり。

2009年 古文 現代語訳

※機械翻訳に若干の手を加えた物です。
 兵衛佐が、申し上げたのは、「あれは父右大臣殿が、鞍馬へうかがいなさった時、鞍馬の坊の庭の植え込みに、「しんくはんもんの菊(菊の一種)」といって移し植えてありましたのを、無理に望んで取ってきて、家に伝えようといって植えておいたのを、父が亡くなった後、妹が、父の思い出の品に見ようといって惜しんでおりましたのを、お召しになり従って差し上げるのでございます」と申し上げると、「あなたは播磨(兵庫県)の三位の腹、帥の上級女官か」とたずねさせなさると、「そうではありません。私と同じ式部卿宮の子供でございます」と申し上げたので、宮が、お思いになったのは、「さあ、今の取り扱いで、信望がないけれども、院にもこの兵衛佐に並ぶ殿上人(清涼殿に出入りすることを認められた人)もないけれども、いっそう、女で彼の妹であるなら、どんなに堂々としていておごそかだろうか。ああ、見たい」と、深く心が移って、この兵部卿宮は、当時の天皇の腹違いの弟、数々に人情深くて、この兵衛佐さえも、いつも目さえも掛けさせなさって趣深いものだと思いなさった。  この主人のことを、一晩中物思いにふけって夜を明かしなさって、宮の護衛が、常磐と申し上げて髪や容貌が十分であって14、5歳ぐらいで数々に習熟している子供を召して、「あの菊の枝を、折り曲げて来い」とお言葉があったので、夜がほのぼのと明けていく頃の露で多いのに指貫の裾を取って、菊を手で折ってうかがった。宮が、同じ色である菊が重なったものの薄様(薄い上等の和紙)に、このように(書いた)、
 「私の心はあなたの籬に色があせるのはやはり残している白菊の花
菊の白く見える露は置き添えるのより苦しいのになぁ」とおっしゃって、菊の枝に挿して、「兵衛佐の妹が住んているであろう方の、格子に挿して帰れ」とお言葉があったので、常磐は、もとからこの内の子細は、よく知っている者で、三条高倉に行って、このご令嬢がいらっしゃる西の対の、中格子に挿して帰った。女性達が、出入口などの建具を上げようといって、出て来て、この花を取って、「これを御覧ください。花に添えて、格別である風情の薄様(薄い上等の和紙)に、歌が書かれてありますのを、ご覧になれ」といって、兵衛佐に、見せて差し上げたので、(兵衛佐は)見なさって、「兵部卿宮の手である。これはどうしたことか。宮の手でわたらせなさる。どのようにしてお考えになられたのであるのか。もとから、これが、理想的であることである。父と母が生きていらっしゃるなら、今までこうしていらっしゃるべきなのか。今は、高位女官が、后の位にもわたらせなさるべきのだよ。今回、お手紙があるのであるなら、返事はすすめて下さい。女性達」とおっしゃった。また昼ぐらいに、宮は、常磐を使いとして、お手紙は存在する。 
行き通う跡は知らないけれども逢坂の関は今越えたい
「今回は、あらわれての返事を望め」とお言葉があったので、常磐が、いただいて、三条へ行って、西の対で、「これは兵部卿宮のお手紙だなあ」と言うと、女性達は、「どうしてか。思い寄らない。人違いか。早急に帰って下さい」と、すっかり取ってしまわない。むなしく帰ってしまう。押し返しこのように(書いた手紙を持って行った)、
  赤の末摘花が私であるような手紙をかえされる身が薄情である
とお書きになって遣わされる。常磐が、取って行って、次第にに言うけれども、(女性たちは)出ない。返事もしない。常磐が、幼い気持ちにいまいましく感じて申し上げることには、「現在、あなたのお手紙などが素晴らしくて、取り扱いなさる都合が悪さだなあ。せめて取って入れさせて下さい」といって、すだれをあげて入れてしまう。そうではあるけれども返事はなかった。その後、色々の薄様(薄い上等の和紙)に様々の心をくだいて、押し返し押し返しお手紙の絶えることはなかったけれども、流れる水に数を書く(=苦労しても甲斐がないことのたとえ)心持ちになって、一度も返事がなかった。宮は、「いまいましくも言ったものだなあ。もうよろしい、そうであるなら、さて存在しよう。いろいろ言うようなうちに、母女御殿の方へも、聞こえるようなことは、立派に思う」どお思いになるけれども、忘れられなくて、心が弱いとつけても、人情の程度あらわれて、ただ一筋にお思いになるのである。
 こうして日数もがたつくらいに、宮の中が、静かに数々がなんとなくしみじみと心を動かされる昼の頃、常磐が、幼い心に、宮がお思いになりかかりなさっているのを、しみじみと心を動かされ思って差し上げて、間近くうかがって、「次第にさてこの事は気持ちが冷めて終わってしまうべきなのか。いつも行って見ると、効果的に責めるべき従者なんかもお仕えしない。かえってお手紙なんかを差し上げるようなのよりも、ただ押して入らせて下さいよ。しかも今夜は兵衛佐殿は、院中の宿直で、殿上にお仕えするのである。誰の牛車ともなく、数多くでたりはいったりしてしまうのでございますと、(その中に)紛れさせなさって、牛車を中門に忍び立てさせなさって、女性達、大殿油なんかがひしめくなのでございましょう紛れに、西の妻戸の方から紛れて入ってしまわせなさって、ともし火の白々となって、よくよくご覧になるなのでございまして、心につかせなさるのでございますなら、紛れも入らせて下さいよ」。宮は、そうであるべきであるとお思いになって、殿上人(清涼殿に出入りすることを認められた人)のまねをして、宮の中を忍び出させなさったので、常磐は、お供して差し上げた。  

2009年 古文 品詞分解

※機械翻訳に若干の手を加えた物です。
  兵衛佐【名詞:兵衛佐】  、 申し/ける【サ行四段活用動詞「申す」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:申し上げた】 は【係助詞:は】 、 「 あれ【名詞:あれ】 は【係助詞:は】 父【名詞:父】 右大臣殿【名詞:右大臣殿】、鞍馬【名詞:鞍馬】 へ【格助詞:へ】 参り/給ひ/し/に【ラ行四段活用動詞「参る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+過去の助動詞「き」連体形:うかがいなさったが】 、 鞍馬【名詞:鞍馬 の【格助詞:の】 坊【名詞:坊】 の【格助詞:の】 前栽【名詞:庭の植え込み】 に【格助詞:に】 、しんくはんもんの菊【名詞:しんくはんもんの菊】 とて【格助詞:といって】 移し【サ行四段活用動詞「移す」連用形:移し】 植ゑ/て【ワ行下二段活用動詞「植う」連用形+接続助詞:植えて】 候ひ/し【ハ行四段活用動詞「候ふ」連用形+過去の助動詞「き」連体形:お仕えした】 を【格助詞:を】 、 わりなく【ク活用形容詞「わりなし」連用形:めちゃくちゃに】 請ひ【ハ行四段活用動詞「請ふ」連用形:望み】 取り/て【ラ行四段活用動詞「取る」連用形+接続助詞:取って】 、 家【名詞:家】 に【格助詞:に】 伝へ/ん【ハ行下二段活用動詞「伝ふ」未然形+意志・推量の助動詞「ん」連体形:伝えよう】 とて【格助詞:といって】 植ゑ/置き/し【ワ行下二段活用動詞「植う」連用形+カ行四段活用動詞「置く」連用形+過去の助動詞「き」連体形:前もって植えておいた】 を【格助詞:を】 、 父【名詞:父】 、 はかなくなり/て【ラ行変格活用動詞「はかなくなり」連用形+接続助詞:亡くなって】 後【名詞:後】 、 妹【名詞:妹】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 候ふ【ハ行四段活用動詞「候ふ」連体形:お仕えする】 者【名詞:者】 、 父【名詞:父】 が【格助詞:の】 形見【名詞:思い出の品】 に【格助詞:に】 見/ん【マ行上一段活用動詞「見る」未然形+意志・推量の助動詞「ん」連体形:見よう】 とて【格助詞:といって】 惜しみ/置き/て【マ行四段活用動詞「惜しむ」連用形+カ行四段活用動詞「置く」連用形+接続助詞:前もって惜しんておいて】 候ふ【ハ行四段活用動詞「候ふ」連体形:お仕えする】 を【格助詞:を】 、 召し【サ行四段活用動詞「召す」連用形:お乗りになり】 に【格助詞:に】 従ひ/て【ハ行四段活用動詞「従ふ」連用形+接続助詞:従って】 参らせ/候ふ【サ行下二段活用動詞「参らす」連用形+丁寧の補助動詞「候ふ」連体形:差し上げるのでございます】 」  と【格助詞:と】 申せ/ば【サ行四段活用動詞「申す」已然形+接続助詞:申し上げると】 、 「 妹【名詞:妹】 は【係助詞:は】 播磨【名詞:播磨(兵庫県)】 の【格助詞:の】 三位【名詞:三位】 の【格助詞:の】 腹【名詞:腹】 、 帥【名詞:帥】 の【格助詞:の】 局【名詞:上級女官(の部屋)】 か【係助詞】 」  と【格助詞:と】 問は/せ/給へ/ば【ハ行四段活用動詞「問ふ」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+謙譲の補助動詞「給ふ」未然形+接続助詞:おたずねさせ申し上げるなら】 、 「 さは【副詞:そのように】 候は/ず【ハ行四段活用動詞「候ふ」未然形+打消の助動詞「ず」終止形:お仕えしない】 。 我【名詞:私】 と【格助詞:と】 同じき【シク活用形容詞「同じ」連体形:同じ】 式部卿宮【名詞:式部卿宮】 の【格助詞:の】 腹【名詞:腹】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 候ふ【ハ行四段活用動詞「候ふ」終止形:お仕えする】 」  と【格助詞:と】 申し/けれ/ば【サ行四段活用動詞「申す」連用形+過去の助動詞「けり」已然形+接続助詞:申し上げたので】 、 宮【名詞:宮】 、 思し召し/ける【サ行四段活用動詞「思し召す」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:お思いになった】 は【係助詞:は】 、 「 いざ【感動詞:さあ】 や【係助詞】 、 今【名詞:今】 の【格助詞:の】 もてなし【名詞:取り扱い】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 、 おぼえ【名詞:信望】 こそ【係助詞】 なけれ/ども【ク活用形容詞「なし」已然形+接続助詞:ないけれども】 、 院【名詞:院】 に【格助詞:に】 も【係助詞:も】 こ/の【名詞+格助詞:この】 兵衛佐【名詞:兵衛佐】  に【格助詞:に】 並ぶ【バ行四段活用動詞「並ぶ」連体形:並ぶ】 雲客【名詞:殿上人(清涼殿に出入りすることを認められた人)】 も【係助詞:も】 なき/ものを【ク活用形容詞「なし」連体形+接続助詞:ないけれども】 、 まして【副詞:いっそう】 、 女【名詞:女】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 かれ【名詞:彼】 が【格助詞:の】 妹【名詞:妹】 なら/ば【断定の助動詞「なり」未然形+接続助詞:であるなら】 、 いかに【副詞:どうして】 いつくしから/ん【シク活用形容詞「いつくし」未然形+意志・推量の助動詞「ん」終止形:堂々としていておごそかだろう】 。 あはれ【感動詞:ああ】 、 見/ばや【マ行上一段活用動詞「見る」未然形+終助詞:見たい】 」  と【格助詞:と】 、 深く【ク活用形容詞「深し」連用形:深く】 御【接頭語】 心【名詞:心】 移り/て【ラ行四段活用動詞「移る」連用形+接続助詞:移って】 、 こ/の【名詞+格助詞:この】 兵部卿宮【名詞:兵部卿宮】 は【係助詞:は】 、 当【名詞:当】 帝【名詞:天皇】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 腹異【名詞:腹ちがい】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 弟【名詞:弟】 、 よろづ【名詞:数々】 に【格助詞:に】 御【接頭語】 情け【名詞:人情】 深く、【ク活用形容詞「深し」連用形:深くて、】 こ/の【名詞+格助詞:この】 兵衛佐【名詞:兵衛佐】 をも【までも】 、 常は【副詞:いつも】 御【接頭語】 目【名詞:目】 を/も【格助詞+係助詞:さえも】 掛け/させ/給ひ/て【ラ行下二段活用動詞「掛く」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:掛けさせなさって】 あはれみ/給ひ/ける【マ行四段活用動詞「あはれむ」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:趣深いものだと思いなさった】 。     こ/の【名詞+格助詞:この】 君【名詞:主人】 の【格助詞:の】 こと【名詞:こと】 、 夜もすがら【副詞:一晩中】 思ひ明かし/給ひ/て【サ行四段活用動詞「思ひ明かす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:物思いにふけって夜を明かしなさって】 、 宮【名詞:宮】 の【格助詞:の】 御随身【名詞:護衛】 、 常磐【名詞:常磐】  と【格助詞:と】 申し/て【サ行四段活用動詞「申す」連用形+接続助詞:申し上げて】 髪【名詞:髪】 容貌【名詞:容貌】  足らひ/て【ハ行四段活用動詞「足らふ」連用形+接続助詞:十分であって】 一四【名詞:14】 、 五【名詞:5】 ばかり【副助詞:ぐらい】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 よろづ【名詞:数々】 物慣れ【名詞:物慣れ】 なる【断定の助動詞「なる」連体形:である】 童【名詞:子供】 召し/て【サ行四段活用動詞「召す」連用形+接続助詞:お召しになって】 、 「 あ/の【名詞+格助詞:あの】 菊【名詞:菊】 の【格助詞:の】 枝【名詞:枝】 、 折り/て【ラ行四段活用動詞「折る」連用形+接続助詞:折り曲げて】 参れ【ラ行四段活用動詞「参る」命令形:うかがえ】 」  と【格助詞:と】 仰せ【名詞:お言葉】 あり/けれ/ば【ラ行変格活用動詞「あり」連用形+過去の助動詞「けり」已然形+接続助詞:あったので】 、 朝ぼらけ【名詞:夜がほのぼのと明けていく頃】 の【格助詞:の】 露【名詞:露】 の【格助詞:で】 しげき【ク活用形容詞「しげし」連体形:多い】 に【格助詞:に】 指貫【名詞:指貫】  の【格助詞:の】 裾【名詞:裾】 を【格助詞:を】 取り/て【ラ行四段活用動詞「取る」連用形+接続助詞:取って】 、 菊【名詞:菊】 を【格助詞:を】 手折り/て【ラ行四段活用動詞「手折る」連用形+接続助詞:手で折って】 参り/けり【ラ行四段活用動詞「参る」連用形+過去の助動詞「けり」終止形:うかがった】 。 宮【名詞:宮】 、 同じ【シク活用形容詞「同じ」連体形:同じ】 色【名詞:色】 なる【断定の助動詞「なり」連体形:である】 菊重ね【名詞:菊重ね】 の【格助詞:の】 薄様【名詞:薄様(薄い上等の和紙)】 に【格助詞:に】 、 かく【副詞:このように】 なん【係助詞】 、     「 わ【名詞:私】 が【格助詞:の】 心【名詞:心】 君【名詞:主人】 が【格助詞:が】 籬【名詞:籬】 に【格助詞:に】 うつろふ【ハ行四段活用動詞「うつろふ」連体形:色があせる】 は【係助詞:は】 なほ【副詞:やはり】 や【係助詞】 残せ/る【サ行四段活用動詞「残す」連用形+完了の助動詞「り」連体形:残している】 白菊【名詞:白菊】 の【格助詞:の】 花【名詞:花】   菊【名詞:菊】 の【格助詞:の】 白露【名詞:白く見える露】 は【係助詞:は】 置き【カ行四段活用動詞「置く」連用形:置き】 添ふる/より【ハ行下二段活用動詞「添ふ」連体形+:添えるのより】 苦しき/ものを【シク活用形容詞「苦し」連体形+接続助詞:苦しいのになぁ】 」  と【格助詞:と】 遊ばし、【サ行四段活用動詞「遊ばす」連用形:なさって、】 菊【名詞:菊】 の【格助詞:の】 枝【名詞:枝】 に【格助詞:に】 結び/て【バ行四段活用動詞「結ぶ」連用形+接続助詞:結んで】 、 「 兵衛佐【名詞:兵衛佐】  の【格助詞:の】 妹【名詞:妹】 の【格助詞:が】 住む/らん【マ行四段活用動詞「住む」終止形+現在推量の助動詞「らん」連体形:住んているだろう】 方【名詞:方】 の【格助詞:の】 、 格子【名詞:格子】 に【格助詞:に】 挿し/て【サ行四段活用動詞「挿す」連用形+接続助詞:挿して】 帰れ【ラ行四段活用動詞「帰る」命令形:帰れ】 」  と【格助詞:と】 仰せ【名詞:お言葉】 あり/けれ/ば【ラ行変格活用動詞「あり」連用形+過去の助動詞「けり」已然形+接続助詞:あったので】 、 常磐【名詞:常磐】  、 もと【名詞:もと】 より【格助詞:から】 こ/の【名詞+格助詞:この】 内【名詞:内】 の【格助詞:の】 子細【名詞:子細】  、 よく【ク活用形容詞「よし」連用形:よく】 知り/たる【ラ行四段活用動詞「知る」連用形+完了の助動詞「たり」連体形:知っている】 者【名詞:者】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 、 三条【名詞:三条】 高倉【名詞:高倉】 に【格助詞:に】 行き、【カ行四段活用動詞「行く」連用形:行って、】 こ/の【名詞+格助詞:この】 姫君【名詞:ご令嬢】 の【格助詞:が】 おはします【サ行四段活用動詞「おはします」連体形:いらっしゃる】 西【名詞:西】 の【格助詞:の】 対【名詞:対】 の【格助詞:の】 、 中格子【名詞:中格子】 に【格助詞:に】 挿し/て【サ行四段活用動詞「挿す」連用形+接続助詞:挿して】 帰り/ぬ【ラ行四段活用動詞「帰る」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形:帰ってしまう】 。 女房【名詞:女性】 たち【接尾語:達】 、 御格子【名詞:出入口などの建具】 上げ/ん【ガ行下二段活用動詞「上ぐ」未然形+意志・推量の助動詞「ん」連体形:上げよう】 とて【格助詞:といって】 、 立ち出で、【ダ行下二段活用動詞「立ち出づ」連用形:出て来て、】 こ/の【名詞+格助詞:この】 花【名詞:花】 を【格助詞:を】 取り、【ラ行四段活用動詞「取る」連用形:取って、】 「 これ【名詞:これ】 御【接頭語】 覧【名詞:覧】 候へ【ハ行四段活用動詞「候ふ」命令形:お仕えしろ】 。 花【名詞:花】 に【格助詞:に】 添へ/て【ハ行下二段活用動詞「添ふ」連用形+接続助詞:添えて】 、 なべてなら/ぬ【ナリ活用形容動詞「なべてなり」未然形+打消の助動詞「ず」連体形:格別である】 匂ひ【名詞:風情】 の【格助詞:の】 薄様【名詞:薄様(薄い上等の和紙)】 に【格助詞:に】 、 歌【名詞:歌】 の【格助詞:で】 書か/れ/て【カ行四段活用動詞「書く」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連用形+接続助詞:書かれて】 候ふ【ハ行四段活用動詞「候ふ」連体形:お仕えする】 、 御覧ぜよ【サ行変格活用動詞「御覧ず」命令形:ご覧になれ】 」  とて【格助詞:といって】 、 兵衛佐【名詞:兵衛佐】  に【格助詞:に】 、 見せ/参らせ/たり/けれ/ば【ラ行下二段活用動詞「見す」連用形+サ行下二段活用動詞「参らす」連用形+完了の助動詞「たり」連用形+過去の助動詞「けり」已然形+接続助詞:見せて差し上げたので】 、 見/給ひ/て【マ行上一段活用動詞「見る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:見なさって】 、 「 兵部卿宮【名詞:兵部卿宮】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 手【名詞:手】 なり【断定の助動詞「なり」終止形:である】 。 こ【名詞:これ】 は【格助詞:は】 いかに【ナリ活用形容動詞「いかなり」連用形:どうしたこと】 。 宮【名詞:宮】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 手【名詞:手】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 わたら/せ/給ふ【ラ行四段活用動詞「わたる」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」終止形:わたらせなさる】 。 いかに【副詞:どのように】 し/て【サ行変格活用動詞「す」連用形+接続助詞:して】 思し召し寄り/ける/ぞ【ラ行四段活用動詞「思し召し寄る」連用形+過去の助動詞「けり」連体形+係助詞:お考えになられたのである】 。 もと【名詞:もと】 より【格助詞:から】 、 これ【名詞:これ】 こそ【係助詞】 、 あらまほしき【シク活用形容詞「あらまほし」連体形:理想的である】 こと【名詞:こと】 にて【格助詞】 あれ【ラ行変格活用動詞「あり」已然形:である】 。 父母【名詞:父と母】 生き/て【カ行上二段活用動詞「生く」連用形+接続助詞:生きて】 おはせ/ば【サ行変格活用動詞「おはす」未然形+接続助詞:いらっしゃるなら】 、 今【名詞:今】 まで【格助詞:まで】 かくて【こうして】 や【係助詞】 おはす/べき【サ行変格活用動詞「おはす」終止形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」連体形:いらっしゃるべき】 。 今【名詞:今】 は【係助詞】 、 女御【名詞:高位女官】 、 后【名詞:后】 の【格助詞:の】 位【名詞:位】 に【格助詞:に】 も【係助詞:も】 わたら/せ/給ふ/べき/ぞ/かし【ラ行四段活用動詞「わたる」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」連体形+係助詞+終助詞:わたらせなさるべきのだよ】 。 この度【名詞:今回】 、 御文【名詞:お手紙】 ある/なら/ば【ラ行変格活用動詞「あり」連体形+断定の助動詞「なり」未然形+接続助詞:あるのであるなら】 、 御【接頭語】 返事【名詞:返事】 すすめ/給へ【マ行下二段活用動詞「すすむ」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」命令形:すすめて下さい】 。 女房【名詞:女性】 たち【接尾語:達】 」  と【格助詞:と】 ぞ【係助詞】 のたまひ/ける【ハ行四段活用動詞「のたまふ」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:おっしゃった】 。 また【副詞:また】 昼ほど【名詞:昼ぐらい】 に【格助詞:に】 、 宮【名詞:宮】 、 常磐【名詞:常磐】 を【格助詞:を】 御【接頭語】 使ひ【名詞:使い】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 、 御文【名詞:お手紙】 あり【ラ行変格活用動詞「あり」終止形:ある】 。     行き【カ行四段活用動詞「行く」連用形:行き】 通ふ【ハ行四段活用動詞「通ふ」連体形:通う】 跡【名詞:跡】 は【係助詞:は】 知ら/ね/ど【ラ行四段活用動詞「知る」未然形+打消の助動詞「ず」已然形+接続助詞:知らないけれども】 逢坂の関【名詞:逢坂の関】 は【係助詞:は】 今【名詞:今】 こそ【係助詞】 越え/まほしけれ【ヤ行下二段活用動詞「越ゆ」未然形+願望の助動詞「まほし」已然形:越えたい】   「 この度【名詞:今回】 は【係助詞:は】 、 あらはれ/て【ラ行下二段活用動詞「あらはる」連用形+接続助詞:あらわれて】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 返事【名詞:返事】 を【格助詞:を】 請へ【ハ行四段活用動詞「請ふ」命令形:望め】 」  と【格助詞:と】 仰せ【名詞:お言葉】 あり/けれ/ば【ラ行変格活用動詞「あり」連用形+過去の助動詞「けり」已然形+接続助詞:存在したので】 、 常磐【名詞:常磐】 、 賜り/て【ラ行四段活用動詞「賜る」連用形+接続助詞:いただいて】 、 三条【名詞:三条】 へ【格助詞:へ】 行き、【カ行四段活用動詞「行く」連用形:行って、】 西【名詞:西】 の【格助詞:の】 対【名詞:対】 に/て【格助詞+接続助詞:で】 、 「 これ【名詞:これ】 は【係助詞:は】 兵部卿宮【名詞:兵部卿宮】 の【格助詞:の】 御文【名詞:お手紙】 よ【終助詞:だなあ】 」  と【格助詞:と】 言へ/ば【ハ行四段活用動詞「言ふ」已然形+接続助詞:言うと】 、 女房【名詞:女性】 たち【接尾語:達】 は【係助詞:は】 、 「 いかに【副詞:どうして】 。 思ひ【ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形:思い】 寄ら/ず【ラ行四段活用動詞「寄る」未然形+打消の助動詞「ず」終止形:寄らない】 。 人違へ【名詞:人ちがい】 か【係助詞】 。 とくとく【副詞:早急に】 帰り/給へ【ラ行四段活用動詞「帰る」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」命令形:帰って下さい】 」  と【格助詞:と】 、 取り/入れ/ず【ラ行四段活用動詞「取る」連用形+ラ行四段活用動詞「入る」未然形+打消の助動詞「ず」終止形:すっかり取ってしまわない】 。 むなしく【シク活用形容詞「むなし」連用形:むなしく】 帰り/ぬ【ラ行四段活用動詞「帰る」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形:帰ってしまう】 。 押し【サ行四段活用動詞「押す」連用形:押し】 返し【名詞:返事】 かく【副詞:このように】 なん【係助詞】 、       紅【名詞:赤】 の【格助詞:の】 末摘花【名詞:末摘花】 や【係助詞】 我【名詞:私】 なら/ん【断定の助動詞「なり」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:であるような】 ふみ【名詞:手紙】 かへさ/るる【サ行四段活用動詞「かへす」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連体形:かえされる】 身【名詞:身】 こそ【係助詞】 つらけれ【ク活用形容詞「つらし」已然形:薄情である】   と【格助詞:と】 遊ばし/て【サ行四段活用動詞「遊ばす」連用形+接続助詞:なさって】  遣はさ/るる【サ行四段活用動詞「遣はす」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」連体形:遣わされる】 。 常磐【名詞:常磐】  、 取り/て【ラ行四段活用動詞「取る」連用形+接続助詞:取って】 行き、【カ行四段活用動詞「行く」連用形:行って、】 やうやう【副詞:次第に】 に【格助詞:に】 言へ/ども【ハ行四段活用動詞「言ふ」已然形+接続助詞:言うけれども】 、 出で/ず【ダ行下二段活用動詞「出づ」未然形+打消の助動詞「ず」終止形:出ない】 。 答へ【名詞:返事】 も【係助詞:も】 せ/ず【サ変動詞「す」未然形+打消の助動詞「ず」終止形:しない】 。 常磐【名詞:常磐】 、 幼き【ク活用形容詞「幼し」連体形:幼い】 心地【名詞:気持ち】 に【格助詞:に】 ねたく【ク活用形容詞「ねたし」連用形:いまいましく】 おぼえ/て【ヤ行下二段活用動詞「おぼゆ」連用形+接続助詞:感じて】 申す【サ行四段活用動詞「申す」連体形:申し上げる】 やう【名詞:よう】 、 「 当時【名詞:当時】 、 吾が君【名詞:あなた】 の【格助詞:の】 御文【名詞:お手紙】 なんど【副助詞:なんか】 を【格助詞:を】 めざましく/て【シク活用形容詞「めざまし」連用形+接続助詞:素晴らしくて】 、 もてなし/給ふ【サ行四段活用動詞「もてなす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形:取り扱いなさる】 便なさ【名詞:都合が悪さ】 よ【終助詞:だなあ】 。 取り【ラ行四段活用動詞「取る」連用形:取り】 だに【副助詞:さへ】 入れ/させ/給へ【ラ行下二段活用動詞「入る」未然形+使役の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」命令形:入れさせて下さい】 」  とて【格助詞:といって】 、 御【接頭語】 簾【名詞:すだれ】 うち上げ/て【ガ行下二段活用動詞「うち上ぐ」連用形+接続助詞:上げて】 入れ/ぬ【ラ行下二段活用動詞「入る」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形:入れてしまう】 。 されど【そうではあるけれど】 も【係助詞:も】 御【接頭語】 返事【名詞:返事】 は【格助詞:は】 なかり/けり【ク活用形容詞「なし」連用形+過去の助動詞「けり」終止形:なかった】 。 そ/の【名詞+格助詞:その】 後【名詞:後】 、 色々【名詞:色々】 の【格助詞:の】 薄様【名詞:薄様(薄い上等の和紙)】 に【格助詞:に】 様々【ナリ活用形容動詞「様々なり」語幹:様々】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 心【名詞:心】 を【格助詞:を】 くだき/て【カ行四段活用動詞「くだく」連用形+接続助詞:くだいて】 、 押し【サ行四段活用動詞「押す」連用形:押し】 返し【サ行四段活用動詞「返す」連用形:返し】 押し【サ行四段活用動詞「押す」連用形:押し】 返し【サ行四段活用動詞「返す」連用形:返し】 御文【名詞:お手紙】 ひま【名詞:すきま】 なかり/けれ/ども【ク活用形容詞「なし」連用形+過去の助動詞「けり」已然形+接続助詞:なかったけれども】 、 行く【カ行四段活用動詞「行く」連体形:行く】 水【名詞:水】 に【格助詞:に】 数【名詞:数】 書く【カ行四段活用動詞「書く」連体形:書く】 心地し/て【サ行変格活用動詞「心地す」連用形+接続助詞:心持ちになって】 、 一度【副詞:一度】 も【係助詞:も】 御【接頭語】 返事【名詞:返事】 なかり/けり【ク活用形容詞「なし」連用形+過去の助動詞「けり」終止形:なかった】 。 宮【名詞:宮】 は【係助詞:は】 、 「 ねたく【ク活用形容詞「ねたし」連用形:いまいましく】 も【係助詞:も】 言ひ/ける【ハ行四段活用動詞「言ふ」連用形+過去の助動詞「けり」連体形:言った】 もの【名詞:もの】 かな【終助詞:だなあ】 。 よしよし【副詞:もうよろしい】 、 さらば【接続詞:そうであるなら】 、 さて【さて】 こそ【係助詞】 あら/め【ラ行変格活用動詞「あり」未然形+意志・推量の助動詞「ん」已然形:存在しよう】 。 とかく【いろいろ】 言は/ん【ハ行四段活用動詞「言ふ」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:言うような】 ほどに【うちに】 、 母【名詞:母】 女御【名詞:高位女官】 殿【名詞:殿】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 方【名詞:方】 へ【格助詞:へ】 も【係助詞:も】 、 聞こえ/ん【ヤ行下二段活用動詞「聞こゆ」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:聞こえるようなことは】 こそ【係助詞】 、 恥づかしく【シク活用形容詞「恥づかし」連用形:立派に】 思へ【ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形:思う】 」  なんど【副助詞:などど】 思せ/ども【サ行四段活用動詞「思す」已然形+接続助詞:お思いになるけれども】 、 忘ら/れ/ず、【ラ行四段活用動詞「忘る」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」未然形+打消の助動詞「ず」連用形:忘れられなくて、】 御【接頭語】 心【名詞:心】 弱き/に【ク活用形容詞「弱し」連体形+格助詞:弱いと】 つけ/て【カ行下二段活用動詞「つく」連用形+接続助詞:つけて】 も【係助詞:も】 、 情け【名詞:人情】 の【格助詞:の】 ほど【名詞:程度】 あらはれ/て【ラ行下二段活用動詞「あらはる」連用形+接続助詞:あらわれて】 、 ただ【副詞:ただ】 一筋【名詞:一筋】 に【格助詞:に】 思す/なり【サ行四段活用動詞「思す」連体形+断定の助動詞「なり」終止形:お思いになるのである】 。     かくて【副詞:こうして】 日数【名詞:日数】 も【係助詞:も】 経る/ほど【ハ行下二段活用動詞「経」連体形+名詞:へるくらい】 に【格助詞:に】 、 宮【名詞:宮】 の【格助詞:の】 中【名詞:中】 、 静かに【ナリ活用形容動詞「静かなり」連用形:静かに】 よろづ【名詞:数々】 もの【接頭語:なんとなく】 あはれなる【ナリ活用形容動詞「あはれなり」連体形:しみじみと心を動かされる】 昼つ方【名詞:昼の頃】 、 常磐【名詞:常磐】  、 幼き【ク活用形容詞「幼し」連体形:幼い】 心【名詞:心】 に【格助詞:に】 、 宮【名詞:宮】 の【格助詞:が】 思し召し【サ行四段活用動詞「思し召す」連用形:お思いになり】 沈み/給へ/る【マ行四段活用動詞「沈む」連用形+謙譲の補助動詞「給ふ」未然形+受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」終止形:おかかり申し上げられる】 を【格助詞:を】 、 あはれに【ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形:しみじみと心を動かされ】 思ひ/参らせ、【ハ行四段活用動詞「思ふ」連用形+サ行下二段活用動詞「参らす」連用形:思って差し上げて、】 間近く【ク活用形容詞「間近し」連用形:間近く】 参り/て【ラ行四段活用動詞「参る」連用形+接続助詞:うかがって】 、 「 やうやう【副詞:次第に】 さて【さて】 こ/の【名詞+格助詞:この】 御【接頭語】 事【名詞:事】  は【係助詞:は】 しらけ/て【カ行下二段活用動詞「しらく」連用形+接続助詞:しらけて】 やま/せ/給ふ/べき【マ行四段活用動詞「やむ」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連体形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」連体形:終わらせなさるべき】 か【係助詞】  。 常は【副詞:いつも】 行き/て【カ行四段活用動詞「行く」連用形+接続助詞:行って】 見る/に【マ行上一段活用動詞「見る」連体形+格助詞:見ると】 、 かひがひしく【シク活用形容詞「かひがひし」連用形:効果的に】 とがむ/べき【マ行下二段活用動詞「とがむ」終止形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」連体形:責めるべき】 侍【名詞:従者】 なんど【副助詞:なんか】 も【係助詞:も】 候は/ず【ハ行四段活用動詞「候ふ」未然形+打消の助動詞「ず」終止形:お仕えしない】 。 なかなか【副詞:かえって】 御文【名詞:お手紙】 など【副助詞:なんか】 候は/ん【ハ行四段活用動詞「候ふ」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:お仕えするような】 より【ラ行四段活用動詞「よる」連用形:より】 も【係助詞:も】 、 ただ【副詞:ただ】 押し/て【サ行四段活用動詞「押す」連用形+接続助詞:押して】 入ら/せ/給へ/かし【ラ行四段活用動詞「入る」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」命令形+終助詞:入らせて下さいよ】 。 しかも【しかも】 今夜【名詞:今夜】 は【係助詞:は】 兵衛佐【名詞:兵衛佐】  殿【名詞:殿】 、 院中【名詞:院中】 の【格助詞:の】 御【接頭語】 宿直【名詞:宿直】 、 殿上【名詞:殿上】 に【格助詞:に】 侍る/なり【ラ行変格活用動詞「侍り」連体形+断定の助動詞「なり」終止形:お仕えするのである】 。 誰【名詞:誰】 が【格助詞:の】 車【名詞:牛車】 とも【格助詞:とも】 なく、【ク活用形容詞「なし」連用形:なくて、】 あまた【副詞:数多く】 出で/入り/候へ/ば【ダ行下二段活用動詞「出づ」連用形+ラ行四段活用動詞「入る」連用形+丁寧の補助動詞「候ふ」已然形+接続助詞:すっかり出てしまうのでございますと】 、 うち【接頭語】 紛れ/させ/給ひ/て【ラ行下二段活用動詞「紛る」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:紛れさせなさって】 、 車【名詞:牛車】 を/ば【格助詞+係助詞「は」の濁音化:を】 中門【名詞:中門】 に【格助詞:に】 忍び【バ行四段活用動詞「忍ぶ」連用形:忍び】 立て/させ/給ひ/て【タ行下二段活用動詞「立つ」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:立てさせなさって】 、 女房【名詞:女性】 たち【接尾語:達】 、 大殿【名詞:大殿】 油【名詞:油】 など【副助詞:なんか】 ひしめき/候は/ん【カ行四段活用動詞「ひしめく」連用形+丁寧の補助動詞「候ふ」未然形+婉曲の助動詞「ん」連体形:ひしめくのでございましょう】 紛れ【ラ行下二段活用動詞「紛る」連用形:紛れ】 に【格助詞:に】 、 西【名詞:西】 の【格助詞:の】 妻戸【名詞:妻戸】 の【格助詞:の】 方【名詞:方】 より【格助詞:から】 紛れ/入ら/せ/給ひ/て【ラ行下二段活用動詞「紛る」連用形+ラ行四段活用動詞「入る」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+接続助詞:すっかり紛れてしまわせなさって】 、 灯火【名詞:ともし火】 の【格助詞:の】 白【名詞:白】 々【接尾語:々】 と【格助詞:と】 なり/て【ラ行四段活用動詞「なる」連用形+接続助詞:なって】 、 よくよく【副詞:よくよく】 ご覧じ/候ひ/て【サ行変格活用動詞「ご覧ず」連用形+丁寧の補助動詞「候ふ」連用形+接続助詞:ご覧になるのでございまして】 、 御【接頭語】 心【名詞:心】 に【格助詞:に】 つか/せ/給ひ/候は/ば【カ行四段活用動詞「つく」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+丁寧の補助動詞「候ふ」未然形+接続助詞:つかせなさるのでございますなら】 、 紛れ【ラ行下二段活用動詞「紛る」連用形:紛れ】 も【係助詞:も】 入ら/せ/給へ/かし【ラ行四段活用動詞「入る」未然形+使役・尊敬の助動詞「す」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」命令形+終助詞:入らせて下さいよ】 」  。 宮【名詞:宮】 は【係助詞:は】 、 さもある/べし/と【ラ行変格活用動詞「さもあり」連体形+推量・意志・勧誘・当然・命令・適当の助動詞「べし」終止形+終止形:そうであるべきであると】 思し召し/て【サ行四段活用動詞「思し召す」連用形+接続助詞:お思いになって】 、 殿上人【名詞:殿上人(清涼殿に出入りすることを認められた人)】 の【格助詞:の】 まねび【名詞:まね】 を【格助詞:を】 し/て【サ変動詞「す」連用形+接続助詞:して】 、 宮【名詞:宮】 の【格助詞:の】 中【名詞:中】 を【格助詞:を】  忍び【バ行四段活用動詞「忍ぶ」連用形:忍び】  出で/させ/給ひ/しか/ば【ダ行下二段活用動詞「出づ」未然形+使役・尊敬の助動詞「さす」連用形+尊敬の補助動詞「給ふ」連用形+過去の助動詞「き」已然形+接続助詞:出させなさったので】 、 常磐【名詞:常磐】  、 御【接頭語】 供【名詞:お供】 申し/けり【サ行四段活用動詞「申す」連用形+過去の助動詞「けり」終止形:申し上げた】 。


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